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「ああ。マイシスター?俺だよ俺。ユアブラザー。えっ?脳みその作りが兄さんとは違うって?……俺さ、この世に生を受ける前からお前の事だけは馬鹿じゃないのかって思ってた時期があったんだ。もちろん嘘だけどさ。……えっ?私は馬鹿じゃないって?じゃあなんなのさ?……ぇえ?天才だって?天災の間違いだろ。……すいません。話?えっとね、うんとね、そっと優しくね、……あ、その下りはいらない。そうですか。それもそうだね。というわけで、一家に一台。我が家にもとうとう家庭教師を雇う時が来たみたいでね……えっ?まぁ、学年三位の成績だけれども、……あれだよ。保健の家庭教師だよ。俺保健の実技だけはどうしても分からなくってさぁ。いやいや、決してエロアニメの見すぎじゃないっすよ。俺はもうマイシスターとマザーの愛で一杯一杯のような気がするから。えっ?気持ち悪いだって?なぁに、お前の平均以下を更に大きく下回る平らな胸程じゃない。ということで話はそれだけだよ。アデュー」
妹との電話を切る。いやぁ、電波を発して会話をしているだけあって、会話内容も電波的だった。
「私は、保健の、家庭教師では、ないぞ」
わざわざ区切って話してきてらっしゃる。冗談だっつーのに。
「はいはい。でもこれで、妹との連絡はしておいたから、貴女が怪しまれることはない。これでもあいつ結構うたぐり深い性格してるんでね。下手したら警察に訴えかねん」
その代わり一度信用したらそりゃあもうベトベトなんだけど。それがまた可愛い。
「そ、そうなのか。恐いな。君の妹は」
「突如不法侵入を試みる誰かさんよりかは十分マトモな方だと思いますけど」
「それは本当に悪かったと言っているだろう」
顔を紅潮させ反論する鏡を見るのは、何だか不思議な感じだ。
「まぁ、いいですけど。……それじゃあそろそろ本題に入りましょうか」
「本題……?」
「貴女がここに来た本当の理由ですよ。まさかこの敏感少年Hの俺が気付いてなかったとでも?」
「……バレてたのか」
「はい。バレバレです。貴女はそういうの苦手なんでしょうね」
「……すまない」
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