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「つか、そもそもレベルって何だ。ゲームじゃあるまいし、んなの分かるわけねえだろ」
そんな誰もが疑問に思うようなことをリトが訊くと、それに対しレナードは指を一本立て、それを左右に振った。
「それが分かるんだなぁ……他人のも分かるぞ。ほら」
レナードが指を弾いて鳴らすと、ゲームでよく見るメッセージウィンドウのような、黒い長方形がリトの視線より僅か上の宙に突然現れた。
「うお!?何だコレ!?」
「びっくりしたか?それにレベルが表示されるんだ」
そのウィンドウにリトが驚いていると、『リト、村人レベル50』と表示がされる。
「何だこの村人レベル50って!これはつまりどういう意味なんだ!?」
そんなウィンドウの理解できない表示に対し、リトが戸惑ったように訊ねれば、レナードは顎に手を当てて冷静に考える。
「お前のツッコミレベルが高いから、村人としては半人前ということだな」
そのレナードの言葉が合図かのように、ウィンドウに新しく『リト、ツッコミレベル100』と表示される。それを見て、レナードは「ほらな」とリトへと目を向けた。
「『ツッコミレベル100』って!オレツッコミとしては一人前なのか!?」
「そりゃあ、あれほどつっこんでいればなあ。ノリツッコミなんて高度なものも使っていたくらいだし」
レナードの冷静な意見に、リトは頭を抱える。強く生きろという父親の約束を守ろうとして、いつの間にかツッコミなんて芸人っぽいのになっていたのは、リトにとって軽くショックだった。
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