#10ダイヤのピアス

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 五十嵐は、ピザとワインを注文し、三夜子に好みをたずねると、バニラジェラートも付け加えた。そして、ウェイトレスが去ると、テーブルに真っ赤な紙袋を出した。 「これは、プレゼントだ」  照れや戸惑うこともない表情。五十嵐は、当然のように三夜子に渡した。 「え?」  紙袋の中を覗き込むと、三夜子の目はだんだんと大きくなった。 「これって――」 「ドレッサージュだよ」 「はい」三夜子は紙袋に手をそえたまま、小さく頷いた。 「……知ってます」  それは高級ブランドとして有名だった。 「ドレスがあって、ないのは靴だろ? それに――」  五十嵐は、タキシードの内ポケットをまさぐった。そして、爽やかなターコイズブルーの小箱を取り出し、三夜子の前に置いた。
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