#10ダイヤのピアス

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 三夜子は、それを見るとあらためてこう言わずにはいられなかった。 「本当に……いいんですか?」  五十嵐は、グラスのワインを飲み干して立ち上がった。 「はやく履いて」  彼に見下ろされて、恐る恐るその芸術品を床に置いた。そして靴を脱ぎ、足をミュールへ滑り込ませた。  それは、甲の薄い三夜子の足にすいつくようにフィットした。足の裏が一ミリもずれていない。 「よかった、サイズが合って」  ――ほんとだ。どうしてだろ? 「どうして、サイズを?」  身を起こして首を傾げた。
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