#10ダイヤのピアス

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「ああ、デニスにね。君がマッサージをうけている間にきいたんだ」  三夜子は目を丸くして、左手を思いきり胸に押しあてた。  ――さすが、もてる男。 「これも開けてみて」  テーブルに置いたままの小箱を手にとって、三夜子に渡した。  三夜子はリボンをはずし、箱を開けた。すると、そこには――。 「ダイヤ?」  金に縁取られたダイヤのピアスが入っていた。三夜子は、息をのんだ。 「どうして――」  言いかけたとたん、五十嵐が口を開いた。 「もう泣くなよ?」  三夜子は弱々しく笑ってみせた。
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