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「ああ、デニスにね。君がマッサージをうけている間にきいたんだ」
三夜子は目を丸くして、左手を思いきり胸に押しあてた。
――さすが、もてる男。
「これも開けてみて」
テーブルに置いたままの小箱を手にとって、三夜子に渡した。
三夜子はリボンをはずし、箱を開けた。すると、そこには――。
「ダイヤ?」
金に縁取られたダイヤのピアスが入っていた。三夜子は、息をのんだ。
「どうして――」
言いかけたとたん、五十嵐が口を開いた。
「もう泣くなよ?」
三夜子は弱々しく笑ってみせた。
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