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会場は、居場所を見つけられないくらいに大勢の人がひしめきあっていた。
「ここはね、去年オープンしたばかりなんだよ」
「そうなんですね。あのシャンデリア素敵ですね」
三夜子と樋口が話している間に、五十嵐はウェイターからシャンパンの入ったグラスをとり、二人の談笑を外から見ていた。
「エイ!」
突然、金髪の女が五十嵐に抱きついた。五十嵐は、グラスのシャンパンがこぼれないようにした。
「会いたかったわ。帰ってくるなら、言ってくれればよかったのに」
女はそう言って、五十嵐の唇に軽くキスをした。
「え!」三夜子は絶句した。そして、その光景に目を奪われて、しばらく口を開けたままだった。
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