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三夜子は、授業の用意もせず、不思議そうに女をみながら彼女が答えるのを待った。
なぜ、美容師として働いている人がここへ来る必要があるのだろう。そう思っていると、女がはにかみながらこちらへ顔を向けた。
「五十嵐さんの、アシスタントになりたいの」
女は眉を上げて、三夜子を上目で見て言った。
「そんなに有名なんですか? 五十嵐さんって」
「当たり前よお、パリコレやニューヨークコレクションにも参加してるのよ? あのテス・マッグローがアシスタントにつくくらいなんだから」
「は、はい」
三夜子は、女の勢いにたじろんだ。
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