186人が本棚に入れています
本棚に追加
《8月15日 某県》
僕はお盆休みを利用し帰省中だ。
しばらく仕事を忘れてのんびり出来るし、明日は久し振りに、旧友と会う事になっている。
《8月16日》
今日は遊園地に来ている。
遊園地と言っても所詮は田舎。
メリーゴーランドと、2人乗りの小さな観覧車に2人乗りジェットコースター。子供騙しのオバケ屋敷に、意外に人気がある巨大迷路。
主なアトラクションはそれだけだ。
今、僕達はオバケ屋敷にいる。
数年前に本物が出ると噂され、一時はブームとなった。
が、今は寂れたもんだ。機械仕掛のオバケは塗装が剥げ錆ているし、ギギィと不気味に音を出す。
僕は先頭に立ち進んで行く。
残り僅かで出口という所、友人の男性が口を開いた。
「知ってるか?ここって本物が出るんだぞ」
僕は、噂は噂で確認した奴なんか居ないはずだと言った。
すると最後尾にいた女性が口を開いた。
「私は見たよ」
驚き、足を止めて振り返る。
「冗談やめろよ……なぁ?」
さすがに気味が悪くなったので友人の男性に話しをフる。
「本当だ」
「え?」
「俺がそいつを殺した」
男性は女性を指差す。
「そして私が貴方を呪い殺す」
女性がつぶやいた。
最初のコメントを投稿しよう!