あたし

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「まーゆみん!おはよう」 「舞!」 話し掛けてきたのは、 唯一の親友、佐藤舞(サトウ マイ) 「ね、隣の東高校の男子と今日遊びに行くんだけど、真弓も行かない?」 舞はとても可愛い娘。 パッチリ愛されメイクで、 ふんわり巻髪の彼女は、 こんな田舎の高校に居ちゃいけないと、私は思う でも、メイクは少し濃いと思う 「どぉしたのぉ?」 ぷっくりとしたピンクの唇が動く …か、可愛い… 「え?何でもない!で、何?」 「もー!真弓は彼氏欲しくないのぉ?」 「う、いやぁ…そんなことは…」 「舞なんてさー、頑張ってダイエットして、化粧して、髪のお手入れしてんのに、彼氏できないんだよぉ?」 「そう…?」 ははは、と苦笑い 舞は可愛すぎて、 隣の東高校ならともかく、このド田舎高校の男子は手を出せない 一部の猿頭の男子の間では、舞のイメージは最強のアバズレ女との噂がある 実際のところ、まったくの嘘 「でもさ、不思議だよね」 「何が?」 「真弓は、私みたいに頑張らなくても、ちょー可愛いもん!」 一瞬、舞の言葉が理解できなかった 「えー?舞、何言ってるの!あたしだって彼氏居たことないんだから!」 「真弓こそ何言って……あ!予鈴鳴ってるよ!!」
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