[奇跡=生命=夢]

3/5
前へ
/5ページ
次へ
彼の趣味は野球だった 昔から野球が好きで、ずっと続けてきていたのに いきなり襲った交通事故が 彼の夢と希望、やりがいを失わせた 彼だって苦しいはずなのに いつも前向きに進んでいる いつも私を助けてくれる 辛くないの? と、一度聞いたことがある 彼は 辛くないよ、と答えた なんで?って聞いたら まだ生きているから これだけでもまだ幸せなんだよ なんで?私は生きているだけで辛いと思ってるのに なんで彼は幸せなんだろ? そして彼はキャッチボールをやろぅと言い出して やり方よく知らないけど、初めてのキャッチボールをしてみた キャッチボールが始まって、私の予想通りボールは彼のいない場所に飛んでゆく 彼はその度に笑いながらボールを取りに行ってくれる そんな何気ない優しさが私を楽にしてくれる フワーッとした見やすいボールで 彼の優しいボールは私の胸にしっかりと投げられる でも彼のボールはなぜか重たい なんでだろ?幸せだから? 幸せだからって重く感じるはずないよね? キャッチボールの途中で彼が言った 『なんで俺は生きていることが幸せかっていうとね、
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加