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運命の歯車は無秩序に、無限に拡がっていく。
それは
みなもに落ちた水滴から拡がる波紋の様に。
世界樹の生え渡る芽吹きの様に。
過去と、現在と、未来をたゆたゆく。
近似値の世界をより分け。新たな世界が生まれいでる。
しかし、自身の渡る道筋は常に一つ。
彼女はその中を、不思議の国のアリスの時計ウサギのように忙しなく動き回る。
辿るべき荊の道を通らず、目の前に拡がる奈落の道を横切って、風雨や嵐をやり過ごし、トコトコと最善、最良の道を見つけだす。
彼女はアカシアの記憶を覗き識る悪戯好きな妖精のような者だ。
あってはならない世界の歪み。
しかし、世界は以外と寛容だった。
彼女のちょっとした悪戯を世界は雄大に抱擁する。
所詮、世界にとってそれは泡沫の夢に過ぎないのだから。
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