二つの願いと嘘と枷

2/21
1988人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
魔神の体にうっすらと白い靄のようなモノが見え始めた。 これが真偽の指輪の効力のようだが、正直利用価値が分からない。 (……?色が確かに見える。これが、一体全体なんの役に立つんだ?) 疑問は尽きないが、白い靄が見える。これを一つの情報として置いて置こう。 《二つ目の願いを言うがいい》 響く重低音に歯を食いしばる。もう、声ぐらいでビビってはいられない。 「まて、願いを答える前にいくつかルールを知りたい」 《……。願いを叶えるためのルールを知りたいが願いか?》 うお!いきなりこちらの考えの斜めにきやがったよ。 慌てて両手を振ってストップをかける。 「ちょっと、まてって!願いを叶えるのにルールはあるだろ?それとも何か?何でも叶うのか、どんなことでも?絶対に?」 《……》 おや?魔神の回りの白い靄がざわめき出した。 《もちろん我が力には限界がある。そして、願いを叶える誓約を破る行為には罰を与える権限も持つ》 願いを叶える誓約を破る行為? 今まで聞いたことの無い話しだ。 この内容はツッコンで聞くべきだろうと判断する。 「願いを叶える誓約を破る行為とはなんだ?」 俺の問いに魔神は沈黙で答えた。 白い靄が波の様にうねり、紫色に変色していく。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!