日常崩壊

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井崎が振り向くとそこには、引きちぎられた人の肉と大量の血が飛び散っていた。 「なんてこっだ……」 井崎は呟き運転席にめをやった。 「うっ………」 運転席に乗っていたのは頭を銃で撃ち抜かれた運転手の亡骸だった。 「これは、アナタを狙ったものです………聞いてますか井崎さん。」 携帯電話の向こうから声がした。 「なんで俺が狙われるんだ!?」 井崎は電話に怒鳴った。 「アナタが参加した、ゲームですよ。我々は参加者を助けゲーム終了まで生き残らせれることが仕事です。」 「誰が仕組んでるんだ!!」 「世界のトップ達の暇つぶしの賭け事ですよ。そのトップ達はアナタ達の生存に数兆賭けている人もいれば、アナタ達の死亡に数兆賭けている人もいます。」 「…………」 井崎はなにがなんだか分からなかった。 「そして、今回の開催地に日本が選ばれました。」 「俺はどうすればいいんだ。」 井崎は絞り出すようにいった。 「基本的に私の指示に従って行動してください。いざという時は、アナタの判断でお願いします。」 「分かったよ………逃げればいいんだろ。」 「では、まずこの事故現場から逃げて下さい。警察につれて行かれたら何もしていなくても、アナタはゲームオーバーです。」 「一回電話をきるぞ。また電話をかけてくれ。」 井崎はゲームオーバーになる事だけはごめんだった。 「よし、コイツを借りていこう。」 井崎は違法駐輪してあった自転車にまたがって走り出した。 井崎の耳にパトカーと救急車のサイレンが響いた。 日常は音を立てて崩れていった……
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