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「なーんだ。この鏡じゃないのかぁ…いかにもって感じだったのに…」 月音は少しガッカリしたように呟いた 元のように黒い布を鏡に被せた 「泥棒もいないみたいだし、戻ろ」 辺りを見回して、誰もいなぃのを確認してから月音はその部屋を出た 月音の足音だけが闇に響く 外では鴉が鳴いている 風が強く吹いて、森の木々がザワめいている ―バタン― 静かに神社の扉を締める音がした 月音は 鏡に映った自分が微かにほほえんだのを 知らなかった
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