カラス女

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髪黒いからじゃない。 恥ずかしい事がないから。いつも寂しく泣いているから。 カラス女ってある男に言われた。 「いつもカーカーないてうるせー、でもお前にはなにやったって夜には帰ってくるクセがあんだな。」 男と言っても体から入る関係で、恋愛の駆け引きのない、動物的な関係だ。 私は好きだとか、付き合いたいとか、そんな心の約束がなくても、この男さえいればいいと思っていた。 したいからする。 そんな関係でも私は男が好きだった。 男は24歳フリーターで、飲み屋にいるときに声をかけてきた。 そのまま2人で終電を乗り過ごし、わかっていたかのようにホテルに行った。 そこから会えばする関係になり、男のうちに転がりこんだのだ。 男は絶対避妊をしなかった。私も男さえよければいいと受け入れてきた。
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