O P:ようこそこの世界(ゲーム)へ…

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「しかしコレの――我が儀式魔術法陣の奥底を覗きたければ我が地獄に堕ちるしか、捨て駒になるしかない」 カタカタ、カタカタ…… 「死ぬしかないんだよ。それは生物学上の死ではない、もっとそれ以前、もうどれだけ開演して来たか判らない世界、運命、歴史のステージ、それらステージから逸脱する為にはアナタは死ぬしかないんだ。故に――」 カタカタ、カタカタ…… 「一つ約束しよう。この存在は――アナタを殺す。この本作を以って読者であるアナタを全力を以って殺してみせる」 カタカタ、カタカタ…… 「この存在の我が侭と身勝手と無責任と己が欲望、それだけの為に読者(アナタ)を、外にいるアナタを殺す。ステージを越えて殺す。情け容赦なく徹底的に、快楽と道楽で殺して殺して更に殺した後も殺して徹底的に殺し終えても尚殺して殺し尽くす。そしてアナタはそれを喜んで受け入れるべきだ。我が侭と身勝手と無責任と欲望で殺される事に全力で悦ぶべきだ。感謝するべきなんだよアナタは、この自分に利用されて捨てられて殺される事に全力で感謝するべきなんだ」 カタカタ、カタカタ…… 「これは言わば読者というアナタ、外にいるアナタと同じ場所にいながらそれを受け入れられない破綻存在からの挑戦状だ。それを受けるか否かもそれもアナタの自由だ。受けないのならば尻尾を振って引き下がっても良い、そんなアナタならばアナタなど必要ない、受ける気は無いがこのまま引き下がるのもイヤだと言うなら現状維持でも結構、まあいずれ堕ちるか逃げ去るかどちらかになるが、もし受ける気があるのならば……ようこそと歓迎しよう」 カタカタ、カタカタ…… 「自分は読者であるアナタが笑いながら悶え苦しみ、そして死ぬ事を切に願う。それは自分にとって大変悦ばしい事だからだ。それを想うだけで自分は生物が本能で得るあらゆる快楽と道楽を超えた絶頂すら覚える。アナタが何処までこの地獄で哂いながらもがき足掻いて苦しんで、そしてどんな現実を抱いて夢に死ぬのか……是非それを自分に見せてくれ捨て駒(プレイヤー)、我が儀式魔術法陣……」 ――通称“セブンス・オブ・サーガスト”で…… カタカタ、カタカタ……
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