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刹那、扉から轟音が鳴り響き、殴った箇所から大きなヒビが入っていく、やがてヒビが扉全体に達した時……
ドッ!
あっけなく崩れ落ちた。
「またつまらぬものを殴ってしまった……」
フッ、と笑うと拳を引き、体勢を戻して早速中へ入る。
「………こりゃまた」
結論から言えば、中はやはり倉庫であった。
しかし、中にあるのはその道の人間からすればもう珍品、秘宝の山山山……
「……あのコレクター吸血鬼が欲しがっていたのはコレらの事か?」
少し見とれてはいたものの、当初の目的を思い出して先へ進む
「……この辺りだな」
やがてたどり着いたのは……何と言えばいいのか、とにかく色んなモノをごったにして掻き集め整理しきれずにその場所に置きまくったような……要するにゴミ山ならぬ物山だった。
軽く山脈を形成しているように思える。
「……やはり漁るべき?」
目的を探す為にはそれしかないようだ。仕方ないので彼はその山脈へと向かい山崩れが起きないように慎重に漁り始めた。
「これはここ、これはあそこ……」
ついでに整理整頓も始めちゃっている。
しかも主婦やメイド顔負けの手際の良さである。というか、誰もいないのだからそんな事しても意味は無いのだが……
「………む?」
根気良く続けて早くも数十分、何やら見つけたようである。
「……やはりコレかよ」
見つけたのは何やらとてつもなく見た目イカツイ掘削器、まるで第5にあるような用途がハッキリしない漢のロマン的臭がプンプン匂う武器っぽいモノ
「第七聖典もといパイルアンカー……カレー狂のヤツこんな場所にコレを……」
聖典――それは聖堂教会が誇る異端に対する切札にしてリーサルウェポン、積み重ねて来た退魔概念の歴史は千年単位、コレの前にはどんな異端であれ聖なる力の元に塵と化す。
この第七聖典は一角獣、つまりユニコーンの角がその力の源なのだが……
パイルアンカー、名前とご覧の通り、今あるのはまさしくちょっとズレてはいるが見た目近代兵器そのものである。
ちなみにアンカー部分にあるのがその角だ。
哀れなり、一角獣の角の成れ果てよ。
「よっ、と……ふむ、流石に重量がある……な」
重々しく両手で持ち上げる主人公、確かにこれは見た目だけでも相当の重さがあるのが判る。
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