2825人が本棚に入れています
本棚に追加
ピーンポーン
玄関でチャイムが鳴り響いて、それが迫る捺斗君を止めてくれた。
「陽与ちゃーん、捺斗くーん!ご飯出来たわよー」
ママの声だ!
ここぞ!と言わんばかりに捺斗君を押した。少し顔をしかめたのが、凄く申し訳なく感じた。
「……ごめん、行こ?」
「うん。
でも、逃がす気なんてさらさらないから」
グッと私の手を掴む力を強め、妖艶な笑みで私をみた。
「お口に合うか解らないけれど……」
「ま、ママ……この量……?」
私の前に大量のおかずが並んでいる。
何、ここはホテルのバイキングですか?信じられない……。パパの誕生日よりも豪華なんじゃない?何してんの、ママ……
「美味しいです」
それを満面の笑みで食しながら、ママに感想を述べる捺斗君。
「キャッ!ママ嬉しいわぁ!どんどん食べてね!」
ママ……。いいとしこいて、キャッとかほんと勘弁して下さい……
最初のコメントを投稿しよう!