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「鈴華さん、お疲れ様です」
終礼の後、着替えに行こうとする私の肩を男が叩いた。
「自分はこれから鈴華さんの担当マネージャーになりました。よろしく!」
人の良さそうな笑みを浮かべて、男は名刺を差し出した。
『湯川』と書いてある。
長身でがっちりとした体型なのに、弱気な顔と猫背のせいか威圧感はない。
年は30代前後のようだか、店での地位は低いみたいだった。
湯川が営業中にウェイターをしていたのを見た。
これからの事や、システムの説明、他愛のない世間話をした後、連絡先を交換して送りの車に乗った。
湯川は車が出るのを、手を振って見送ってくれた。
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