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「鈴華さん、だいぶ慣れてきたみたいですね」
声をかけたのは湯川だ。
えぇまぁと言うと、嬉しそうに頬を緩めた。
「見ていてとってもいい感じですよ~!鈴華さんの笑顔には華がありますよ、頑張って下さいね」
大きな体をゆらゆらさせて湯川は言った。
「こらっ湯川、オーダー行って!」
「あっ、スイマセン!…じゃぁ鈴華さん、今後も頑張って下さいね!応援してますからっ」
石田に怒鳴られ、慌てて湯川はホールへ戻って行った。
湯川はあんなに忙しくホールを行き来しているのに、私の接客を見ていてくれたんだ…
そう思うと、なんだか嬉しかった。
あんなに喜んでくれるのなら、もっと頑張ろうかななんて思ったり…。
そうよ、どうせやるんだったら一生懸命やろう。
楽しんで、いい思いして、お金稼いで、そして辞めよう。
短い間だもん、頑張ってみよう。
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