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ぐっとつばを飲み込んだ。
もう…よくわからないけど、この場から開放されたい…
「わかりました…やってみます…。」
「…へっ?ホント?」
熱く説得していたくせに、湯川はすっとんきょうな声を出した。
「…はい、私に出来るかわからないですけど…運動音痴だし。」
湯川の顔がぱあっと明るくなった。
「鈴華さんっ、ありがとうございます!絶対大丈夫ですから!僕がサポートしますんでっ」
がしっと私の手を掴むと、湯川は嬉しそうにぶんぶん振った。
急いで石田にも電話をして報告したようだ。
それからはショーの事や日程、ショーメンバーの事など話して、解散した。
「鈴華さん、今日はありがとうございました。これからもよろしくお願いしますねっ!あ、これタクシー代です。」
そういって湯川は私に1万円札を握らせた。
戸惑っていると、湯川はさっさとタクシーを止めて私を押し込んでしまった。
湯川は最後までぶんぶんと手を振って見送ってくれた。
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