0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
真は、自らがすっかり隠れてしまう背丈の草むらを歩いていた。
がさがさと音をたて、何かを探しているような。
『…何してるの?』
不意に後ろから声がして振り向くと、顔立ちの良い綺麗な黒髪の少女が立っていた。
「星を探しているんだよ」
真は言った。
その言葉に少女は笑う。
『星は空にしかないのよ、こんな所に落ちているわけがないわ…』
「でも見たんだ、星の欠片がここに落ちたのを…」
真は少女の言葉に対抗するように言ったが、徐々に言葉は消えていった。
.
最初のコメントを投稿しよう!