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黒い蝶は出会った。
1人の人と出会った。
悲しみも、不安も、妬みもない人に出会った。
初めて言葉を交わした。
「人間、あなたは醜くない。何故であろう?」
「何故、そんな澄んだ瞳を持っているのであろう?」
人間は応えない。
「人間よ、何故私を受け入れない?」
人間は首を横に振った。
「私の心の中はどこか遠くにある。ここにはない。」
人間は言った。
「蝶よ、何故空を黒く染めているの?」
蝶は少し考えて…
「それは、人間が私を必要としているからだよ」
「でも、お前みたいな人間は初めてだ。」
蝶は美しい羽を広げて笑った。
人間も柔らかな笑みを浮かべた。
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