256人が本棚に入れています
本棚に追加
「初めて女と寝た日」
彼はまた溜息を吐きました。
窓の外で満月が僕らをせせら笑っています。
「チョコを食べられなくなるのが、雲雀くんにとって〈大人〉になることなんですね」
「だって。子供の頃は食べられたんだ」
僕は人差し指と親指で小さなチョコレートをつまみ上げ。雲雀くんの眼前で揺らします。
「僕はチョコ、好きですよ」
包み紙をはがし、チョコレートを口に放り込みます。
「女を知っても、酒を知っても。僕はチョコを食べられる、子供ですから」
雲雀くんに笑いかけると、僕はそのまま部屋を後にしました。
振り向かなかったので、大人の雲雀くんの顔は見えませんでした。
ぱたんと、後ろ手でドアを閉めると部屋の灯りは届かなくなり廊下は月明かりだけに照らされます。
不思議と暗くはありません。
口の中のチョコレートが溶けて、ウィスキーが広がります。
「雲雀くんがチョコを食べられないのは」
(夢の国を出て行ってしまったせいです)
満月を横切り、飛び続けた先にある夢の国は、彼の中にもう亡いのです。
夢の国さえ出なければ、どんな汚いものを見ても子供でいられたのに
ーーーーーーーーーーーーーー
意味不明です。
いつか書き直します。
最初のコメントを投稿しよう!