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薄い青空が広がる秋の日。
連日続いた雨も止み、いつものように屋上への扉を開ける。
遮る物など何もない開放感溢れるその場所に、初めてあたしは自分以外の人を見付けた。
彼はあたしが来るのが解っていたかのように佇(たたず)み、声を発した。
「いつもここにいるよね」
「知ってたんですか……先生」
彼は教師だった。何度か見たことがある気はするが、直接関わったことはなく、名前も知らない。
恐らく向こうもそうだろう。
擦れ違う程度の存在。知らなくても何の差し障りもない。だから知らない。
「せっかく鍵壊したのに、いつも先客がいるから入れなかったんだよ」
「教師なのに、学校の物破壊していいんですか」
「君だって、立入禁止の屋上に入ってるから責めることは出来ないよ」
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