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少し意外だった。 あたしは彼のことなど殆(ほとん)ど知らないが、他人の自殺なんて興味がなさそうに見えた。 だから彼が来るかも知れないのに、手摺の外側に立っていられたのだろう。 「死んでもいい」 そう答えると彼はゆっくり手を離した。これは「死ねば?」ということか。 やはり彼は他人の死に無頓着だった。 そう思った瞬間、あたしは彼の放った言葉に耳を疑った。 「一緒に死ぬ?」
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