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「あ、亜季ちゃん。宿題返してくれる?!」
「は?…あぁこれ?はい」
佐川はあたしにノートをぶつけた。
「―――っ…」
「あっごめーん!大丈夫ー?」
明らかに心配してない声。
「ヒメっどしたん!?」
「ぷっ…ヒメだってよー。可愛くもねぇのにイキがってんじゃねーよブス!!」
はははっと甲高い声を上げながら、佐川達は去っていった。
「あーぁ…ターゲットにされちまったなぁ…一ノ瀬の奴」
男子の声が耳に届く。
…ターゲット?
「関わるのやめよーぜ。女ってマジこえーし」
…関わるのをやめる?
状況がよく掴めない。
でもなんとなく分かってた。
――あたしはイジメられる
七海が心配そうに、でもどこか避けたような目であたしを見ていた。
この日からあたしの地獄の日々は始まった。
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