甘い匂い

52/57
前へ
/200ページ
次へ
ケータイが鳴った。 わたしはフーッと息を吐いてから目を閉じて、ケータイを左の耳元へ押しあてた。 「もしもし」 「おーミドリ」 ツバメさんの声だ。 わたしはそれだけで泣きそうになってしまう。 「ツバメさん‥」 「あはは、泣かない泣かない」 そう言われても涙がこぼれてきて、わたしはだまってしまった。 少しの沈黙。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

379人が本棚に入れています
本棚に追加