甘い匂い

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「絵は?」 「描けない。病気が悪くなって体がしんどいの。毎日吐いてばっかりでまともに食べてない。 手首つかんでも指のわっかがクルクル回るしね、鎖骨の下の骨まで見えるようになってきたよ」 「そんなに痩せてどうするのよ‥」 わたしにだってわからない。 一体わたしはどうなりたいのだろう。 このまま痩せ続けて消えてしまいたいのだろうか。 わたしは自分が骨だけになってカタカタとたたまれていくのを想像した。
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