甘い匂い

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「ミドリね、俺の山へ来なさい。それが無理ならお祈りしなさい」 「お祈り?どうやるの?」 「般若心経でもなんでもいいから、毎日毎日お祈りするの」 「かんじーざいぼーさ?あれのこと?」 おばあちゃんが仏壇の前で唱えていた、あのむにゃむにゃした呪文のことだろうか。 「少しずつ変わってくるから。俺を信じてお祈りしなさい」 「うーん‥うん。」 一体何を祈ればいいんだろう。 自分が何を求めているかもわからないのに。
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