黄金虫

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雨上がりの夕焼けはいつもより赤い。 アトリエに迷いこんだ黄金虫がイーゼルの先にとまって逆立ちをした。 わたしは床にペタンと座り、灰皿をたぐりよせる。 「ねぇ、これほんとに持って帰るの?」 リンが呆れた顔でわたしを見下ろした。 鼻に鮮やかな青い絵の具がついている。 「おうちで描くよ。ここまで来るの、しんどいしね」
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