あの日

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朝は、必ず毎日やってくる どんなに嫌だと思っても… 今日も眩しい光がカーテンの隙間から差し込む 「空(ソラ)ー!!早く起きなさい」 母さんの大きな声が私を呼んだ 「はーい…」 私は力なくそう返事をすると、重たい体を持ち上げた いや、重たいのは、体じゃなくて、心かも… ダッダッダッダ 誰かが勢いよく階段を駆け上がってきた ガチャリ 「空!!遅刻するよー」 慶(ケイ)だ 慶は私と双子 同じ高校に通っている 私の家族であり、親友でもある 「はいはい…すぐ準備するから」 私はサッと起上がり、制服に着替えた 「早くしてよねぇ」 慶は食パンをかじりながら壁に寄り掛かって、私を見ていた ハァ…っと軽くため息をつくと、私はサッサと鞄に教科書をつめた 落書きだらけの…教科書を…
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