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[夏希、これ…]
真冬は他の子と楽しそうに話をする夏希に
本を差し出しながら声をかけた
[ん?あぁ…]
夏希はチラッとこっちを見て本を受けとると短く返事を返し
また他の子達と楽しそうに話を始める
真冬はそんな夏希に
やはり少し違和感を感じつつも
[本…ありが、とう…]と
短くお礼を言い
また自分の席へと戻った
それからすぐ
先生が教室にはいってきて
HRが始まった
-やっぱり、夏希最近冷たい…冬、嫌われちゃったかなぁ……-
真冬はその間
やはり何処か少し雰囲気や態度の違う夏希に
悪い方の考えが膨らむばかりで
先生の話など聞こえてはいなかった
先生の話が終わり
皆が教室を移動し始める
-あ、れ…?一時間目移動教室だったかなぁ…-
真冬はまわりの人が何処に移動しているのか分からず隣の席の子に何処に行くのか訪ねてみる
すると
[あれ?寒空さん先生の話聞いてなかったの?珍しいね]
などと笑われてしまった
[あ、ぃゃ…あの…]
笑われた事に
どう返して良いのか分からず
シドロモドロしていると
後ろから教科書のようなもので頭を軽くポンっと叩かれた
[ぇ…??]
真冬は後ろを振り替えると
呆れた様な顔をした夏希が教科書を片手に
立っていて小さくため息を吐きつつ
[次は図書館だよ]と言って
夏希はその場を後にした
真冬はそんな夏希の後ろ姿を呆然と見つめていると
[寒空さ-ん!早く教室から出てくんない?鍵しめなきゃいけないからさ]
と日直の人の声に
真冬は我に返り教室を後にした
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