742人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
「陽介!早く起きなさい!!」
まだ覚醒しきってない頭に母さんの声が響いた。
傍らに置いてある携帯を見ると時刻は午前8時15分。
なんでこんな時間に起こすのさ?
春休みなのに。
「何してんのよ!?今日から新学期でしょ!」
母親の言葉に開いていた携帯に表示されている日にちを見る。
4月1日。
「遅刻だぁぁぁぁぁ!!」
僕は窓枠にかかっている制服を引っつかみ、急いで着替えると、昨日の内に準備しておいたカバンを持って階段を下りた。
「おはよう陽介」
「おはよう母さん!時間ないし行ってきます!!」
僕は母さん軽く挨拶すると急いで家を出た。
あっ、もちろん靴は履いたよ。
「頑張ってね~」
何ともお気楽な声援を背中に受けながら全力で学校を目指す。
学校までは走って10分位。
校門は8時30に閉まるし……ギリギリかな?
そんな事を考えながら全力で走り続ける。
そのかいあってか、何とか時間内に校門から入れたけど、体力は少しも残ってなかった。
僕、運動神経、並位だし……。
重い足を引きずりながらも昇降口に向かった。
下駄箱で靴を上履きに履き変えて2階にある教室に向う。
教室に入ると、クラスメートは僕以外全員座っており、肩身の狭い思いをしながら自分の席に座った。
最初のコメントを投稿しよう!