出会い

2/22
742人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
「陽介!早く起きなさい!!」 まだ覚醒しきってない頭に母さんの声が響いた。 傍らに置いてある携帯を見ると時刻は午前8時15分。 なんでこんな時間に起こすのさ? 春休みなのに。 「何してんのよ!?今日から新学期でしょ!」 母親の言葉に開いていた携帯に表示されている日にちを見る。 4月1日。 「遅刻だぁぁぁぁぁ!!」 僕は窓枠にかかっている制服を引っつかみ、急いで着替えると、昨日の内に準備しておいたカバンを持って階段を下りた。 「おはよう陽介」 「おはよう母さん!時間ないし行ってきます!!」 僕は母さん軽く挨拶すると急いで家を出た。 あっ、もちろん靴は履いたよ。 「頑張ってね~」 何ともお気楽な声援を背中に受けながら全力で学校を目指す。 学校までは走って10分位。 校門は8時30に閉まるし……ギリギリかな? そんな事を考えながら全力で走り続ける。 そのかいあってか、何とか時間内に校門から入れたけど、体力は少しも残ってなかった。 僕、運動神経、並位だし……。 重い足を引きずりながらも昇降口に向かった。 下駄箱で靴を上履きに履き変えて2階にある教室に向う。 教室に入ると、クラスメートは僕以外全員座っており、肩身の狭い思いをしながら自分の席に座った。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!