下着と水着と僕（腐っても老舗編）

億のトラブル

「お前らは基本すら分からんのか！検査を怠けるから大問題になっとるんだぞ！」

「社長、お言葉ですが今の体制に無理があります」

今まで黙っていた従業員の一人が顔を上げ、社長を睨みつけた。

「なんだと？言い訳があるなら、さっさと言え！」

「言い訳じゃありません。ただでさえ、機械のトラブル続きで生産量は落ちているのに、ＴＯＫＹＯ飲料からの注文は増える一方です」

「それがどうした？儲かるからいいじゃないか」

「社長は儲かるからで済まされますが、現場は毎日が戦場みたいなもんです。毎日毎日、四時間以上も残業をしてノルマを達成しているんです」

「だからどうした？機械を止めるのが問題なだけだろう。古い機械じゃないんだぞ。新品なんだ！止まる方がおかしい」

「新品だろうが故障して止まるんです。それで、部長も工場長も苦労されています。ですよね、部長」