友人との約束

2/7
前へ
/393ページ
次へ
--多忙な毎日。そんな中、僕は高校の友人、大津と酒を酌み交わしていた。 大津の会社は、経営が行き詰まり倒産。そのことを知ったのは友人である幸太や香川からの連絡だった。 僕は大津の気持ちを考えて、敢えて連絡しなかった。 しかし、新しい仕事でこちらに来るとの久し振りの連絡に僕は複雑な思いで再会したわけだ。 「しっかしなんだな。和久も苦労してるようだな。白髪が増えたんじゃないのか?」 「気苦労が絶えなくてさ」 「分かるよ。俺も会社が倒産する直前から、半分ノイローゼみたいになったし、倒産してからも明日の生活はどうしようかって考えてた」 「そうか……」 「人生山あり谷ありだ。まっ、今夜は久しぶりの再会を祝して飲もうじゃないか」 「そうだな……」 「辛気臭い顔するなよ。酒がまずくなる」 大津自身、大変な状況にもかかわらず、僕に気を遣ってくれているのがわかった。
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15204人が本棚に入れています
本棚に追加