落トシ物
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母親は腕にしっかりと我が子を抱いて村を出た いつかこの子が悪に苛まれないように―と ザッ―ザッザッ 聞こえて来たのは数十人の足音 あ―この子を奪うと言うのか 母親は、足音を避ける様に休む事なく走り続けた。 ハァハァ… 荒い息。 ごめんね ごめんね ―フラル 我が愛しの子、フラル… 母親は何度も子の名を呼んだ。
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