3人が本棚に入れています
本棚に追加
なんて美しい日本人。
大人の、きちんとしたやさしい気遣いと社交辞令に、すっかり熱で脳がやられてしまっている私は涙を流してしまった。
あかあかとしたコンビニで、人目も気にせず静かに泣きだした私をみて、おばあちゃん二人は驚きもしなかった。
あらあら、と微笑する二人に手をつながれてゆっくり、綺麗な外に連れ出される。
依然降り止まない雨。
そして、いちごだいふくをそっと握らされた。
「いちごいちえ、なんてね」
うまいこと言うわね!まあね!と花のように笑いながら肩をたたきあっている二人を見ながら、私は、おもい知った。
置き去りなんておこがましい。
わたしはまだこどもで、大人たち、それを包むはるかにおおきななにかに、はしっこに入れてもらっていたのだと。
最初のコメントを投稿しよう!