風邪とばばあと降り止まない雨

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なんて美しい日本人。 大人の、きちんとしたやさしい気遣いと社交辞令に、すっかり熱で脳がやられてしまっている私は涙を流してしまった。 あかあかとしたコンビニで、人目も気にせず静かに泣きだした私をみて、おばあちゃん二人は驚きもしなかった。 あらあら、と微笑する二人に手をつながれてゆっくり、綺麗な外に連れ出される。 依然降り止まない雨。 そして、いちごだいふくをそっと握らされた。 「いちごいちえ、なんてね」 うまいこと言うわね!まあね!と花のように笑いながら肩をたたきあっている二人を見ながら、私は、おもい知った。 置き去りなんておこがましい。 わたしはまだこどもで、大人たち、それを包むはるかにおおきななにかに、はしっこに入れてもらっていたのだと。
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