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「一応入院という事になりましたので家族の方に連絡しておきますね」
そう医師から告げられて早くも5日間、何をするわけでも無くただ暇な毎日を過ごしていた。
年は17歳、男にしては長めの茶色の髪が窓から入る風によってサラサラと揺れる。
はぁ、とため息をついているとノックの音がした。
「柳瀬川龍平君?今暇かな」
扉が開き担当の看護士がやって来た。
ハンサムで大分仲良くなった唯一の人物だ、馴れ合いが嫌いな龍平には珍しい事である。
「何でしょうか麻倉さん」
「いやぁ実はこいつの面倒を見てやって欲しいんだ。米田梨恵って名前のガキなんだが……」
いてっ、と足を押さえながらしゃがみ込む麻倉の横から不機嫌そうな顔をした女の子が現れた。
「ガキって言うなガキって!!」
「いたたたた………わかったから足をガンガン踏まないでくれ…」
スタスタと龍平の元に歩くガキ、一言ヨネって呼びなさいと放つや否やベッドを占領して仁王立ち、
「あんたが新しい下僕?名前は?」
「下僕って……龍平」
ベッドで仁王立ちしているガキがあまり見下げれない身長170センチと普通な龍平だが、それが気に食わないのか背伸びを始めるヨネ、
「龍平、アンタ背が高いの何とかしなさい!!下僕をあまり見下げられないのはイライラする」
無理です。
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