『掌』

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外で 煙草吸いながら 物思いにふける… いつのまにか掌を 太陽にかざしてる… いつの頃からの癖 癖の理由は 理解している… 所詮 狭い世界で 生きてきた自分は 手の届く その世界の 目に映る… 手の触れられる… そのモノを守る… それだけが唯一の取り柄 それだけが唯一の自信だった… 一度それを失って 守れなかった… その時からの癖… 今度こそはと… 大切なモノを守りたい 掴んだ手を離さない… そう思いながら 太陽に掌を… 今日もかざしながら 煙草を吸う…
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