歩くだけ

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    羽ばたいてゆく空を見て もう還らないと知った   深く沈む海のような蒼に 憧れるアナタを羨ましく思う     憤りと哀しみ 大事な思い出だけを残して   錆び付いたカゴに 振り向くこともない     目指した闇に 希望は なかった   窓から差し込む光の中に ふわり 宙に舞う羽ひとつ   この手に掴み 僕は行く たとえアナタに 手が届かなくとも     アナタに翼が あるように 僕には2本の足があるから   大地を捉え 僕は歩く たとえ空を 翔べないとしても     恐れないで 踏み出した場所が崖だとしても   堕ちていく先に光がなくても 這い上がることは できるから     神様がくれた苦しみと 運命がくれた虚しさを   ただ 胸に抱きしめて   誓いと意志を 手に足に 青空を見上げて歩くだけ     青空を見上げて歩くだけ    
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