餞 ―はなむけ―

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    雨の匂い たち込める季節に あなたは旅立ちを口にした   頑張れよ! 本当に往くの?   喜びと悲しみの声に後押しされて 眼差しは遥か彼方へ向けられた     ただ激しく 地を打つ雨の向こう   霧がかかる 険しき山の頂き目指し     歩き出す君 もう会えない気がした     けれど道無き道に踏み出す足に あなたの意志とチカラを感じたから   引き留めるのをやめました   代わりに贈る感謝と祈り   エールと云うには拙い想い ポエムと云うには幼い言葉   あなたに幸あれ…!   雲の切れ間に陽が差して 光が道を創るように    
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