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区別するために名前が違うけど、どっちも本当は“紅奈”。
1人の“人物”。
「…っかじゃねぇの…。」
「え?」
「ばっかじゃねぇの!?…そ、そ、ういうの、は…紅奈に言ってやれよ。」
…コウ、お前今どんな顔してるかわかってる?
一言で言うとひでぇ顔だ。
眼には涙がこれでもかと浮かんでいて、口は笑ってるんだけどひきつってる。
…のクセに、顔真っ赤なんだよな。
くんでる腕も震えてるし、大丈夫かよ…。
「…だから、お前だって紅奈だろが。」
「…っばっか…ばか、だ、お前…っ…。」
「知ってる。」
「紅奈、もっ…笑っ…て…じゃねぇよ…。」
…どうやら、紅奈は笑っているらしい。
コウは、俯いてぐしぐしと涙を乱暴に拭う。
…そんな乱暴にやると、赤くなんぞ。
「…あ………」
「え?」
「…あ、…あり…が…と…な、…あか…つき…。」
顔を真っ赤にして、手をもじもじさせて、眼はせわしなく泳ぎまくってるコウ。
そのコウが可愛くて、俺は思わず噴き出してしまった。
殴られたのは、言うまでもない。

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