始まりの朝

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  風呂から出て制服に着替えていると、携帯のバイブ音に気付いた。 好きな音楽も歌も無いし、着信のたびに歌が流れるのは、何となく面倒くさい。それにうるさい。 この前友達にそう言ったら、 「あんた本当に17歳?」って言われた。 まぁ、それはどうでもいいんだけど。 だから携帯の着信はいつもマナーモードでバイブ設定。 携帯を手に取りディスプレイを見ると、よく知っている名前が表示されていた。 『青山 恋夏(アオヤマレンゲ)』 …正直、ちょっと安心した。 唯一無二の親友である彼女は、私の秘密を知る数少ない人物の一人。 ゆえに、恋夏と話す時、私は自然体でいられる。 どんなものにもかえられない。私の、親友。 携帯を開き、通話ボタンを押して耳に近づけた。 「はい。もしも――」 『もしもし』という言葉は恋夏の怒声に遮られた。 『晴飛(ハルヒ)!!!あんた今何処にいんの!!?』 「…どこって…家(ウチ)…だけど?」 恋夏の質問の意味が、よく分からない。 『ハアッ!?あんた今、何時だと思ってるワケ!?』 「何時って…」 そう言いながら壁時計に目を向けると、時刻は8時25分。  
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