始まりの朝

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  その一番隅にあるのが、私の宝物。 綺麗な漆黒の、1台のバイク。 今から、だいたい2年くらい前…私の16歳の誕生日を、少し過ぎた位の時からの宝物。 誕生日と言っても、誰かに貰った、というわけじゃ無くて、自分で自分に買った。 初めて店で見かけた時に一目惚れしてから、ずっと、自分の稼いだお金で買おうと思っていたから。 ……一人立ちの、お祝いとして。 そんな事を考えていたら、いつの間にか時間は過ぎていて。 「……やばっ」 私は脇に抱えていた黒のヘルメットを被るとバイクに乗って学校に向かった。 もちろん制限速度ギリギリで。  
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