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《…間に合うかな?…あの子遅刻なんてしたらヤバいのに…》
「ちょっと恋夏!聞いてる?」
《この時間だとバスは無いハズだし…》
「恋夏!!!!」
「うわっ」
鼓膜が破れそうなくらい、と言ったら過言かも知れないが、そのくらいの大声で水樹が言った。
すると恋夏は、いかにも素っ頓狂な声を上げた。
「な、何?」
「恋夏、あたしの話、聞いてたー?」
「聞いてた聞いてた」
「…じゃあ、何話してたか言ってみてよ」
「え…それは、ちょっと…」
「やっぱ聞いてないんじゃん!」
水樹は恋夏の額を軽く小突いた。
「今日転校生がくるって話!」
「転校生…?こんな時期に?」
恋夏の言う通り、今は進級したばかりの5月。
こんな時に転校してくるなんて、誰でもおかしいと思うだろう。
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