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「視力は問題ないですね。次は聴力の検査に向かってください」
「はい。ありがとうございました」
睦月はナースにペコリと頭を下げた。
「きゃーっ!か~わ~い~い~!!」
「うわっ!?」
睦月はナースに頭を撫でられた。
「睦月ちゃん、って言ったっけ。かわいいわねー!」
「は、はぁ……ありがとうございます」
睦月は紙を両手で持って、またペコリと頭を下げた。
「検査頑張ってね!」
「はい」
睦月は手を振るナースに軽く会釈すると隣の聴力検査のブースに向かった。そこでは咲が睦月を待っていた。
「聴力検査は2人一緒にするんだって」
睦月はうなずいて咲の隣に座った。
「じゃあ聴力検査を始めますね。音が聞こえている間、手元のボタンを押してください」
睦月はヘッドホンを耳に当てた。
その後、身長、体重、座高も無事にはかり終え、身長は咲と全く同じだったのに座高が咲のが高くて彼女を悩ませた睦月は、血圧をはかり、血液検査を済ませ、心臓検診になった。
ここで困難が睦月を待ち構えていた。
「アクセサリー等の金具も全て外してください」
「ブラのホックも?」
「もちろんです」
「!!!?Σ(゜□゜;)」
「皆さんブラは取ってこちらの白い布被ってくださーい」
ナースたちが言う。
メイドたちはぶつくさぼやきながら服を脱ぎ始める。
睦月は壁の方を向き、しゃがんで、後ろで女性の生着替えが行われていることにドキドキしながら白い布を被った。
「睦月ちゃん大丈夫?具合悪いの?」
咲が背中をさすってくれた。
「だっいじょ、ぶ!!」
睦月は立ち上がる。
心臓検診は着替えがあるため検査が滞っているようだった。
そのため麗羅たち高校生もいる。
さっさと着替えた睦月と咲は心臓のレントゲンを撮る列に並んだ。
「おー咲に睦月じゃん。もうここまで来るなんて早いな」
睦月たちの後ろに並んだ麗羅はニコニコ笑って言った。が、睦月は鼻血を吹きそうになった。被った布の下の豊かな麗羅の胸が見えた気がした。
(見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダ…)
「麗羅さんうらやましいですよォ!胸大きくて」
「咲もあたしくらいになったらこんくらいになるって」
「ならないよォ~…」
「唯さん!」
「麗羅は胸デカい方だから」
湊都が笑って言った。
(僕の周りでそんな話しないでー!!!)
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