ヤマナカ君

雨の日

午後から雨が降った。

英語の先生が、上手くもない英語で教科書を朗読している。

発音をよくしてるつもりなのか…ただ早口に捲し立てるように読む。

10分前まで明るかった外があっという間に大雨だ。

雲の流れが速いので通り雨だろう。

『いやぁー一気に降ってきたなぁ』

先生のその一言に生徒全員が外に目をやり

『本当だぁー…』

『傘持って来てない』

『すげぇー』

などと口々にざわついた。

小学校のチャイムが鳴る。

12時20分の彼女はいなかった。