第1話

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クドいようだけど、目が覚めると、そこには王子様が… 「おや、目が覚めましたか?」 本当にいた。 彼は眼鏡の奥の優しい瞳でにっこりと微笑む。 「あ…あの…?」 いまいち、状況を飲み込めずにいると、王子様は微笑みを崩すことなく、その口を開いた。 「始業式の途中に倒れられたので、保健室にお運びしたんですよ」 そうだった! 私、急に目眩がして… 倒れてしまったんだ。 「あの、ありがとうございました。迷惑かけてすみません…」 「お気になさらずに。ご気分はいかがですか?」 その時。 それはもう盛大に、お腹の虫が泣き叫んだ。 「あ‥‥‥」 「おや」 気まずい沈黙が続く。 もっとも、気まずそうにしているのは私だけだけど。 …実は、私が倒れた原因は、この空腹にある。 昨日の夜から何も口にしていないからだ。 何故かって、お兄ちゃんと喧嘩して、意地張ってご飯を食べなかったっていう、くだらない理由なんだけど。 耐えきれず、体が音を上げたというワケ。 でも… こんな王子様に介抱して貰えるなら、いくらでもご飯抜くよぉ~~~っ!!!!! .
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