第5話

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高校生活がスタートして早1ヶ月。 ゴールデンウィークが目前に迫り、周りは少し浮き足立っている様子。 それは、生徒会にも言える事だったり。 …というのも。 「遊びに行くぞ!!」 目を輝かせた昂希先輩が、これでもかってくらい、旅行のパンフレットを机に広げた。 テーマパーク、温泉、京都、熱海、東北… 地域も目的も、見事にバラバラ。 みんなは溜め息混じりに、机を囲む。 「何、コレ。泊まりがけで行く気?」 「おう!」 「へぇ~、お土産よろしくね」 「は?お前も行くに決まってんだろ」 いやいや、決まってないから。 「やだよ。女の子いないじゃん」 「心配するな、お前はペットであって、女ではない!」 …なんですと? 「あ、じゃあ進藤も彼女連れて来たら?」 「えぇっ、進藤先輩、彼女いるんですか!?」 深川先輩の提案に、私は驚きを隠せずに聞き返すと、進藤先輩がこくりと静かに頷いた。 みんな、普段そういった話は全くしないし、モテる割に浮ついた噂もない。 ましてや、進藤先輩は冷静沈着、寡黙といったイメージから、なんとなくそう言うのに一番無縁だと思っていた。 .
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